一般的にお墓をつくろうと考え、チラシ広告や知人の紹介などにより石屋へ注文されるわけですが、その際にどうしても価格優先で選んだ為、思わぬ落とし穴にはまり後悔されておられる方が多くなっているようです。
ここ数年来、機会あるごとにお話しておりますが、皆様方の大切なお墓づくりには明確な施工基準などはなく、あるのは各業者独自のこのくらいでいいだろう基準です。
ここ数年来、機会あるごとにお話しておりますが、皆様方の大切なお墓づくりには明確な施工基準などはなく、あるのは各業者独自のこのくらいでいいだろう基準です。
従って販売価格も一定ではなく、最近では低価格競争の激化により、半額?とまでの価格表示も見受けられます。
この状況だけで見れば消費者にとっては喜ばしいことですが、業者もしっかり算盤をはじき低人件費、低価格石材、低価格資材を調達し、いきおい稚拙な手抜き工事に走り、その結果として唯でさえあいまいな工事基準を大幅に押し下げているようです。
先日、来店されたお客様が「僅か二年前に建てたお墓だが全面改修して欲しい」との依頼があり施主と共に現地へ行ってみると、なるほど施主の言うとおり酷い状況でした。
所見としては御影石には問題なく、それ以前に問題があるようです。
つまり、業者の基本的な質の問題でした。
事前に充分な敷地調査をせず、悪地盤の上に稚拙な形ばかりの基礎をして、石積みをしたためにわずか二年で改修が必要となったのです。
「その施工業者に保証してもらったら」と言ったところ「何回も申し入れたが安い工事だから、もし直すなら掛かった費用は払ってくれ」と言われたそう。
もうあの人には頼みたくないという施主の結論です。
しかし、このお墓づくりでは最初に150万円、さらに改修見積に127万円、都合277万円にもなり、その上、出来映えも良くなく、まさにほぞをかむ思いであっただろうと推測します。 墓所工事一式100万円するものを(70万円相当の工事内容にして)70万円で売る。しかし稚拙業者の無理な低価格工事の為、数年後には否応なく改修しなくてはならず、その時にはまた100万円くらいの出費が想定されるでしょう。
低価格競争により最初は安いと感じられるが、その後のメンテサイクルコストは高くつきます。
いつの時代にも最終的に消費者にツケが回されるのです。 賢い消費者となるために本質を見ぬく眼を養いたいものです。